自己破産をすると、あなたの持っている財産と引き替えに借金を返済していくことになります。そのため、「自己破産をすると、借金がなくなる代わりに財産のすべてを失うの?」と疑問に思う方もいると思います。しかし、自己破産によってすべての財産を失うわけではありません。自己破産で財産として扱われるものには規定があります。そうであれば、「テレビや家具も財産になるの?」といったように差し押さえの対象となる財産について詳しく知りたい方もいるでしょう。
そこで、自己破産と家具や家電についての影響について詳しく説明したいと思います。

差し押さえのルール

自己破産の手続きをすると、あなたが現在持っている財産について裁判所へ提出する必要があります。これは、財産目録に記載して提出します。財産目録には、東京地裁の場合、購入価格が20万円以上の物を記載することになっています。例えば、20万円以上する腕時計を持っていた場合、申告しなければいけません。申告に基づいて、管財人によって財産を差し押さえられるかどうか決められます。

申告をきちんと行わなかった場合

財産目録については、自己申告制です。そのため、代々受け継いだ思い入れのある宝石や、手放したくない財差がある場合に自己申告をせずに隠し持っておこうと思うかもしれません。しかし、意図的に財産を隠していた場合には自己破産の手続きが行えなくなるどころか逮捕されてしまう可能性もあります。
資産を隠していたことが、自己破産の手続き中にバレた場合には免責不許可になります。また、自己破産の手続きが終わっていた場合には、破産詐欺罪として罪を問われることになります。この場合、懲役10年以下もしくは、1000万円以下の罰金を支払わなくてはいけません。自己破産をする際には、財産を包み隠さず申告しましょう。

同時廃止について

財産目録を提出し、管財人によって価値のある財産であると判断された場合には、差し押さえられて現金に換えられます。そして、借金の返済に充てられます。この流れを「破産」と呼びます。破産の段階において、現金に換えられる財産を持っていなかった場合、管財人は仕事がありませんよね?そのため、わざわざ管財人を立てる必要はなく、破産手続きをすると同時に終了します。これを「同時廃止」と呼びます。同時廃止した後は、借金を返済する能力がないため「免責」手続きへと移行します。

自己破産をすると財産のすべてがなくなる?

自由財産

これまで説明してきたとおり、あなたが自己破産をした場合、すべての財産を処分する必要はありません。一部の財産については処分する必要がないと認められています。これらを「自由財産」と呼びます。
具体的にどのようなものが自由財産にあたるのか例をあげていきたいと思います。
「差押禁止財産」「99万円以下の現金」「自由財産の拡張が認められた財産」「破産財団の管財人によって放棄された財産」「新得財産」です。これらは、破産法によって規定されています。「新得財産」とは、自己破産の手続きを開始した後にあなたが新たに取得した財産です。この場合自己破産をしても、没収されることはありません。「破産財団の管財人によって放棄された財産」とは、裁判所の許可を得て管財人が財産に当たらないと判断したものです。

差押禁止財産

差押えは、法律上の強制執行にあたります。自己破産をすると、強制的に差押えられる財産もありますが、この差押え自体を禁止されている財産もあります。差押禁止財産として多くのものがあげられますが、家具や家電、衣服や食料といった生活必需品は差押禁止動産として認められています。
つまり、自己破産をしても家具や家電は持って行かれることはありません。ただし、高額な外国製の家具であった場合には、処分の対象として取り扱われる場合があります。また、家具や家電のローンについて支払い中であった場合には注意が必要です。ローンの支払いが滞っていれば、カード会社(消費者金融・クレジットカード会社・金融機関)によって引き取られる可能性があります。

差押えされる可能性がある財産

自己破産をすることで、差押えられる可能性のある財産は、主に20万円を超える財産です。自動車や不動産(住宅や土地)は20万円の価値を超えていれば差し押さえられます。また、99万円を超える現金、預貯金についても差押えられます。
自動車については、年式の古い車種や、価値が20万円以下であると査定された場合には手元に残しておくことが出来ます。しかし、ローンが残っている場合には手放す必要があります。

自由財産の拡張

自由財産の対象については、破産法で規定されていますが、それ以外にも裁判所の判断によって自由財産として認められて処分する必要がなくなる財産もあります。これを「自由財産の拡張」と呼びます。
たとえば、あなたの両親は介護が必要で、その送迎のために自動車が必要だったとします。この場合あなたから自動車を奪ってしまうと、家族の生活は成り立たなくなってしまいます。そのため、法律によって定められている自由財産の他に裁判所が認めれば自由財産として認めてもらい財産を手元に残しておくことが出来ます。具体的にどのようなものが自由財産として認められるかについては、人それぞれに生活状況が違うので判断が難しいと思いますが、生活に必要不可欠であると判断された場合には、自由財産として認められる可能性が高いです。
しかし、何でも生活に必要であるからといって申請し、裁判所が自由財産として認めてしまっては、自己破産における「破産」の手続きが出来ないことになってしまいます。つまり、あなたが持っている財産を現金化して借金を返済することが出来なくなるので、カード会社側としても困ってしまいます。もともと自由財産と規定されているもので生活に必要最低限な財産は確保されると想定されているので、自由財産の拡張を認めてもらうことは難しいです。

まとめ

・自己破産の手続きにおいて、あなたが持っている財産をリスト化して裁判所へ提出する必要がある。財産目録には、自己申告制で東京地裁の場合、購入価格が20万円以上の物を記載することになっている。
・意図的に財産を隠していた場合には自己破産の手続きが行えなくなるどころか逮捕されてしまう可能性もある。
・家具や家電、衣服や食料といった生活必需品は差押禁止動産として認められているため、自己破産をしても家具や家電は持って行かれることはない。ただし、家具や家電をローンで支払っている途中であれば手放さなくてはいけない可能性もある。
・自由財産の対象については、破産法で定められているが、それ以外にも裁判所の判断によって自由財産として認められて処分する必要がなくなる財産もありこれを「自由財産の拡張」と呼ぶ。

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