「任意整理とおまとめローンってどっちがいいの?」

「もっと利息の安いローンに借り換えられないかな?」

消費者金融やクレジットカードで何社も借りていて、返済に不安を持った方が検討することの多いおまとめローン(借り換えローンとも呼ばれます)。確かに、返済日が月1日だけになったり低金利になったりで便利ではありますが、それは本当に有利でお得な手段なのでしょうか?

おまとめローンの実態を、借金解決法のひとつである〈任意整理〉をする場合と比較して説明します。

おまとめローンとは

たくさんの返済先があり、借金を返すために借金をしている状態(多重債務)の方の借金を、別のローン会社1社だけにまとめるのがおまとめローン。

明確な定義というものはありませんが、いくつかの借金を1つにまとめることを〈おまとめ〉と呼び、銀行や銀行系の消費者金融が行っているケースが多いローンです。

このおまとめローンには、大きく分けて2種類あります。

ひとつは、おまとめ専用タイプ。

他社から借りている額の合計と同じだけを貸し出し、その金額から今借りている会社に直接振り込んで元の借金をすべて返します。そのため、実際に現金を手にすることはありません。他社の借金を返した後は、その分の借金をおまとめローンの会社に、その会社の独自の利息で分割して返していくことになります。

もうひとつは、フリーローンタイプ。

他社から借りている額の合計より貸し出し枠を少し大きく設定し、その中から自分で返済に必要な分だけを借りて、自分で返します。自分で現金を引き出して他社の返済をするため一時的に現金が手に入り、意思が強くないと、返済の他にお金を使ってしまう可能性もあります。他社に返済した後、おまとめローンの会社に分割で返していく点は、おまとめ専門ローンと同じです。

どちらのおまとめローンもいちばんのメリットは、利息が安くなることです。通常の消費者金融やクレジットカード会社の利息は、法律の最高限度である年率18.0%に設定されていることが多いのですが、おまとめローンは年率14%程度から6%にも安くなります。ほかにも、借金を返す日が月1日だけになって管理しやすくなるなどの長所があります。

おまとめローンにも、通常のキャッシングやローンと同様の審査があります。しかも、組もうとするローンは、今ある借金の総額と同じかそれ以上と額が大きくなるため、審査が特に厳しくなってしまうことも考えられます。

借りている件数が多過ぎたり、返済の遅れや滞納があったりする人は審査に通りにくい傾向に。特に銀行系ローンでは金利も低い分、細かいところまでチェックされることが多いようです。

金額的には任意整理の方が良い

おまとめローンはいくつかの消費者金融などに分散した借金を1本化し、月々の返済額を抑えて返しやすい状況を作ることを目的としています。

いくつもの消費者金融やクレジットカード会社などからお金を借りていると、どこにいくら借金があるのか見えにくくなるのですが、おまとめローン1本にすることで借金の支払状況や残高がわかりやすくなります。

おまとめローンに借り換えることは、返済の遅れなどと違って俗にいう信用情報機関の〈ブラックリスト〉入りすることもないため、生活を変えることなく借金の返済を続けることができます。

おまとめローンにすると多くの場合は利息が安くなるので、返済総額は低くなりますが、利息は0になるわけではなく、もちろん元金が減るわけでもありません。返済は続くので、将来にわたってそのまま返していける保証はありません。その場しのぎ的な傾向が強く、借金の根本的な解決にはなっていないのです。

また、おまとめローンの会社によっては、保証人を要求されたり、家や土地などを担保に入れられてしまったりするケースもよくあります。

これに対して任意整理では、多くの場合で利息が0になります。また、弁護士や司法書士が利息の計算をし直したりして、違法な金利で払い過ぎていた利息分〈過払い金〉を返済にあてて、総返済額を減額できることも。

このように任意整理では、さまざまな手段を使って借金の総額を減らしていきます。特に過払い金の返還による効果は大きく、借金がすべてなくなる、なくなってさらに戻ってくる金額がある、ということもあります。

任意整理とおまとめローンの実際の比較

・任意整理をしたAさんの場合

6社から計270万円の借金をしていたAさん。Aさんは昔からの借金が多く、その分過払い金も多いことがわかりました。うち3社が過払い金によって借金0になり、さらに70万円が戻ってきました。あと3社は過払い金の割合が小さく、51万円の借金が残りましたが、戻ってきた70万円から支払。

結果、Aさんの借金は完全に0になり、さらに手元に差し引き19万円が戻ってくることになりました。

・もしAさんがおまとめローンを選んでいたら

もしもAさんが任意整理をせず、おまとめローンに借り換えたとします。

元金270万円はもちろん、まったく減りません。利息は平均的なもので8%とし、60回払い(5年)で完済するという内容にしたとします。

この場合、完済するころには、総額330万円程となり、差額の60万円が利息分となります。

以上のことからも、金額的には任意整理が断然お得ということが分かるでしょう。

任意整理はブラックリストに載るデメリットがある

金額的には有利な任意整理ですが、おまとめローンにはないデメリットがあります。

消費者金融やクレジットカード会社などが登録している、個人の借金の情報を集めている〈信用情報機関〉に、任意整理をしたことが記録されてしまうのです。

通常の貸し借りでない任意整理の情報は〈事故情報〉と呼ばれ、この記録がある方は俗にいう〈ブラックリスト〉に載った状態になります。

ブラックリストには5~7年間は掲載され続けるので、最低5年間はクレジットカードを持てなかったり、ローンを組んだり、新しい借金をすることができなくなってしまいます。

ですが、おまとめローンの利用を考えるような多重債務の方は、クレジットカードなどの審査にすでに通りにくく、新しい借金をできなくなっている場合が多いものです。また、新たに借りる余裕があったとしても、借金の完済をするためにも、これ以上は増やさないことが大切です。

そう考えると、ブラックリストに載ることは、それほどのデメリットではないと捉えることもできるのではないでしょうか。

まだわからない将来の心配をするよりも、目の前に迫っている問題を解決するほうが大切かもしれません。

まとめ

おまとめローンは、借金を返す先を1社だけにできる、月々の返済額を減らせるなど、目の前にある借金の問題を楽にしてくれる方法です。

しかし、利息は必ず付いてくるので、完済までの期間を長期で計画してしまうと、逆に支払総額が増えてしまうケースが多いです。

また、違法な金利で支払っていた利息〈過払い金〉も戻ってきません。

一方で任意整理は、過払い金を計算し請求することで借金全体の額を大幅に減らし、時には差し引き0か手元に戻ってくる額が出てくるケースまであります。

いわゆるブラックリストには載りますが、借金がずっと残ることに比べれば大きな問題とはならないといえます。

どうしてもブラックリストに載るのは避けたいという方はおまとめローン、一刻も早く完済したい方は任意整理を選ぶのがよいでしょう。