「浪費やギャンブルの借金でも任意整理できるの?」

「任意整理できないことってあるの?」

軽い気持ちではじめたパチンコや競馬といったギャンブル。いつの間にかハマってしまい、つい借金をしてしまったという人もいるかと思います。その結果、返済が滞り任意整理をする状況に陥るケースもあるのですが、その際「浪費やギャンブルが原因の借金は無理じゃないの?」と思われる人も多いでしょう。しかし、安心してください。

浪費やギャンブルが原因の借金であっても、任意整理することは可能なのです。そこで今回は、浪費やギャンブルの借金でも任意整理できる理由や、そのメリット、また、逆に任意整理できないケースについても解説したいと思います。

浪費やギャンブルの借金も任意整理できる

浪費やギャンブルの借金でも任意整理することは可能です。その理由や、任意整理のメリットなどについて説明します。

任意整理と浪費やギャンブルの借金の相性はよい

任意整理とは、カード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)と任意の交渉をして借金を減らしたり、月々の返済額を減らしたりすることで、現在の支払いよりも負担を軽くする手続きのことです。

一般的に、任意整理では、弁護士や司法書士といった専門家に依頼して手続きを行うため、裁判所を介することもありません。

そのため、借金の理由については、あまり問題になりません。むしろ、カード会社側からすれば借金の理由はどうでもよく、合意内容の通りに返済をしてもらうことが重要だからです。このような点から、任意整理は浪費やギャンブルの借金と相性がよいといえるでしょう。

借金の原因は関係ない

通常、カード会社から借金をする場合、無駄使いやギャンブル用途でのお金の使用を制限されるといったことはありません。

ただし、医療ローンや、自動車ローンといったように、あらかじめ利用用途を制限している商品もありますので、そちらは例外です。

したがって、公的な生活支援機関などではなく、一般的なカード会社からお金を借りる場合には、用途は何でもOKということになります。ですので、浪費やギャンブルが原因の借金だから任意整理できないということにはならないのです。

ただし、必ずしも任意整理が可能というわけではありませんので、その点について次項で説明します。

任意整理できない場合

ここまで、浪費やギャンブルが理由で任意整理ができなくなることはないと説明してきました。しかし、それはあくまでも任意整理という制度上での話であり、カード会社が交渉に応じてくれなかったり、弁護士や司法書士といった専門家から依頼を断られたりした場合には、任意整理をすることはできません。

カード会社が交渉に応じない場合

任意整理とは、専門家とカード会社が「任意」による交渉によって和解することで、借金を整理する手続きです。

したがって、カード会社が必ずしも交渉に応じる必要はないため、断られてしまう場合もあります。したがって、立場上あなたの方が不利だという点と、カード会社はあくまでビジネス視点で判断するという点について留意しておきましょう。

たとえば、あなたが個人再生や自己破産といった債務整理をした場合に、カード会社側が回収できる金額と、任意整理に応じた場合に回収できる金額を比べ、任意整理した方が得だと判断すれば、交渉に応じてもらえる確率は高いと思います。

しかし、任意整理に応じた方がリスキーだと判断された場合には、恐らく断られるでしょう。特に、借入してからの期間が極端に短い場合や、借入後一度も返済をしていないような場合は、残念ながら高確率で断られるでしょう。

カード会社のビジネスモデルは利息で稼ぐことが前提となっているため、こうしたケースに応じてしまうのは本末転倒になってしまうからです。

専門家から断られる場合

まず、本人に明らかに支払い能力がなかったり、借金の金額が大きすぎたりする場合には、専門家から任意整理の依頼を断られることもあります。

なぜなら、このような状況では、任意整理をすること自体が不可能なことも多いため、自己破産しか借金を整理する方法がないようなケースも多いからです。

次に、専門家とこまめに連絡が取れない場合も断られる可能性が高いでしょう。任意整理を依頼する場合には、専門家とあなたの信頼関係が非常に重要となりますが、なかなか電話に出なかったり、こまめに連絡が取れなかったりする依頼人に対しては、専門家は責任を持って仕事をすることが難しくなってしまいます。

この問題に関しては、依頼する側の責任といえますので、専門家に依頼する際には、いつでもすぐに連絡を取れるようにしておくべきでしょう。

また、専門家や会社のスタンスによっては、一括で依頼料を支払えなかったり、過払い金が発生しなかったりするような場合に断ってくるケースもあります。

このように、いろいろなタイプの専門家がいますので、あなたに相応しい専門家を見つけることが重要といえるでしょう。

浪費やギャンブルの借金は自己破産できない可能性が高い

前述したように、任意整理は借金をチャラにすることはできないため、自己破産を選択される人もいるのですが、浪費やギャンブルが理由の借金は、自己破産できない可能性が高いでしょう。その理由には、「免責不許可事由」と「裁量免責」という2つのルールが大きく関係しています。

免責不許可事由とは

「免責不許可事由」とは、自己破産の申し立てをした人に対して、裁判所がある一定の条件において自己破産による借金の帳消し(免責)を認めないケースです。したがって、何らかの免責不許可事由がある場合には、自己破産しても借金を帳消しにしてもらえません。

浪費やギャンブルが原因の借金である場合は免責できない

まず、競馬やパチンコといった「ギャンブル」が原因の借金は、自己破産による免責が認められない場合もあります。

また、収入がないにも関わらず、クレジットカードなどで異常な買い物をするといった「浪費」をみなされた場合も、同様に免責が認められないことがあります。

したがって、「ギャンブルや浪費による借金が免責不許可事由の対象にならない」確率は、非常に高いといえるでしょう。

とはいえ、実際は、浪費やギャンブルが原因の借金が免責不許可事由に該当したとしても、裁量免責(裁判官の判断で自己破産する人に免責許可を与える制度)によって借金がチャラになることが多いので、任意整理では厳しいという場合には自己破産の手続きを進めるのもよいでしょう。

任意整理がギャンブルを断つきっかけに

任意整理には、ギャンブルを断つきっかっけになるというメリットもあります。その理由について説明したいと思います。

5年間は新たな借入ができない

任意整理をすると、信用情報機関のデータベースに金融事故として登録され、いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になります。そのため、任意整理すると、5~7年程度は新たな借入ができなくなります。

また、新たにローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることもできません。クレジットカードを利用したり、カード会社からお金を借りたりすると、信用情報機関のデータベースに借入状況や返済状況などの取引履歴が登録されます。

したがって、任意整理を始めてから5~7年の間は、ギャンブルをするための借金ができなくなります。

ギャンブル依存症から自力で抜け出すのは厳しい

一度ギャンブル依存症になってしまうと、自力で抜け出すことは非常に難しいといわれています。

そのため、任意整理をしても、またギャンブルに手を出してしまい、その結果、再び借金の返済が滞ってしまうという最悪の事態も想定されます。

任意整理中に、借金の返済が一度でも滞った場合には、カード会社は残りの借金を一括返済するように求めてきたり、裁判にされたりすることもあります。

このような事態を避けるためにも、一人で悩んでいるより、専門家に相談するべきでしょう。

まとめ

・浪費やギャンブルの借金でも任意整理することは可能。
・任意整理は浪費やギャンブルの借金と相性がよい債務整理。
・カード会社が交渉に応じてくれなかったり、弁護士や司法書士といった専門家から依頼を断られたりした場合には、任意整理できないことがある。
・浪費やギャンブルが理由の借金は、自己破産できない可能性が高い。
・任意整理には、ギャンブルを断つきっかっけになるというメリットもある。